*本庄まちゼミに懸ける想い*

本庄商工会議所 森村昌宏

商店街衰退の原因とは

本庄は戦時中に空襲の被害が少なく、今でも街中には蔵などの古い建物や路地が比較的多く残っており、他の周辺地域とはまた違った昭和レトロな風情が感じられる土地だと思っています。

かつて本庄は宿場町として栄えた名残もあり、数十年前までは商店街も人通りが多く、本当に賑わっていたものです。しかし、大型店の出店・自動車社会・物流革命など時代の変遷に加え、少子高齢化・核家族化・消費行動の変化により商店街は非常に厳しい岐路に立たされております。実際、売上が減少し、事業承継できず廃業していくお店も数多くあります。このような事態に対し、商業振興策として、その時々に合わせたイベントやセールなど行い売上面で一定の効果を得てきましたが、今強く求められているのは「お客様に来店いただくハードルを下げること」だと考えます。激動の時代だからこそ今一度、個々のお店が消費者との結びつきを商品やサービスだけでなく、人と人とのつながりをどう深めていくかを徹底的に考え、従来の組織にとらわれず、やる気のあるお店同志が連携できる事業を行っていく必要があると考えます。

 

 

お店同士のネットワークを作り、商店街の価値を創造したい

商工会議所で働いていると、多くの商業者さんと接します。そんな中、私が日々感じていることは、「お店同士が連携(コラボ)すれば、もっと大きな取り組みができるのに」という想いです。良い商品を生み出しているお店や、良い取組をしているお店はたくさんあります。しかし、それらを集約し本庄の魅力としてどんどん外へ発信するところまでは、上手く出来ていないと感じており、その現状を打破するための効果的な解決策を商業者の方々に提案できずにモヤモヤしていました。

 

そんな状況の中、本庄で実施することが決まったのが、「まちゼミ」です。この「まちゼミ」事業の概要を聞いた時、

「これをきっかけに、お店同士のネットワークや強い絆を作れるのではないか」

「これは面白いことになるぞ」と、感じました。

今回、本庄商工会議所では、まちゼミの事務局機能を担っており、実行委員の方々と一緒になって、主に参加店舗のサポートをしています。普段の商工会議所の業務をこなしながら、このまちゼミ事業に携わることは大変ですが、商業者に一番近い存在であるべき商工会議所が頑張らないわけにはいきません。参加店舗をはじめ、県も市も実行委員も商工会議所も、全員が一丸となり、この「まちゼミ」を必ず成功させたいと思っています。そして、「商店街の価値」を皆で再構築していきたいと考えています。

 

 

「まちゼミ」は人と人とのコミュニケーションを大切にした事業です。

「たて糸とよこ糸のように、人同士が強く結びつくことで、本庄絣のように、綺麗な模様を織りなしていきたい」

そう強く願っております。