*本庄まちゼミに懸ける想い*

市役所職員 境野淳&小川知子

   本庄に住む人にも、本庄の良さを知ってもらいたい

「本庄のいいところは?」と聞くと、「何もないよ」と答える方も多いですが、「住みやすさ」と「人の温厚さ」は、他の土地に負けていないのではないかと思います。本庄は比較的温暖な気候で災害も少なく、高速のICや新幹線駅もあり、交通利便性も良いです。人も穏やかですしね。人が良すぎて、人の面倒を見るのが苦でない人も多く、「本庄の人はお節介やき」といってもいいくらいですね(笑)。

逆に、「人の良さ・穏やかさ」は裏を返せば、「欲がない」ともいえます。自分の地域の良さや地域資源の素晴らしさになかなか気付かないで、「外に発信していこう」、「売りにしていこう」というアグレッシブさは、あまりないのかもしれません。例えば、あじさいの小路や、河川敷の景色など、本庄の人にとっては「日常にある当たり前のもの」と感じているような風景が、実は外から見ると、羨ましい環境資源だったりするのです。地元の人にも地元にある素晴らしいものに気づいてもらえるように、本庄市としてももっと力を入れてPRしていかなければと、常々思っています。市職員としての力不足の点でもあり、課題であると痛感しています。

 

 

「まちゼミ」は、商店街活性化の切り札となり得るか!?  

本庄市の中心市街地活性化については、「このままではいけない。市民と協働でなんとかしなくては」という想いがあり、以前から街づくりの大きな課題として捉えていました。平成12年に中心市街地活性化計画を策定し、平成26年に計画の改訂を行うなど、時間をかけてこの計画を推進しているところです。しかし、様々な検討・施策実施を行うものの、なかなか大きな効果が得られず、頭を悩ませていました。そんな中、商店街活性化の切り札として注目したのが、この「まちゼミ」事業です。本庄にはまだ数多くの商店街が残っていますが、まずは、中山道・銀座通りの「街の顔」となるエリアから、実施エリアを絞って着手しようと決めました。このエリアで「まちゼミ」を成功させ、徐々に足場を固めながら、いずれは市内全域に波及できればと思っています。

商店同士の連携が、時代を生き抜く鍵

「まちゼミ」を通じ、「商店同士の連携」が行われるようになることを期待しています。個店が自分の力だけで生き残っていくのは難しい時代になってきました。個店同士が連携することで、連携の力を生み出せればと思っています。また、今回の「まちゼミ」事業の良さは、自分で講座の内容を考え、どうすれば参加者(受講者)に喜んでもらえるのかを自ら考えアイディアを練るというところにあります。誰かに「やらされる」のではなく、「自分で考え、企画する」というところに大きな意義があるのではないでしょうか。最終的には、店主自身が自分の商いに自信を持ち、自分では気づかなかった「価値と魅力」に気づいてもらえればと思っています。そして、眠っていた商業者としての商魂を呼び起こし、これを機に、新しいことにどんどんチャレンジしていって欲しいと考えています。